所有者不明土地に関する民法等の改正(3)

2022-09-20

鹿児島の弁護士事務所 下村法律事務所からの最近の法改正についてお知らせします。

2020年3月、所有者不明土地等の発生予防等を目的とする民法等の改正が行われました。
前回は、土地を手放すための制度 (相続土地国庫帰属制度) の創設について解説致しました。
今回は、土地・建物等の利用に関する民法の見直しについて解説致します。

1 所有者不明土地・建物の管理制度の創設

個々の所有者不明土地・建物の管理を目的とする新たな財産管理制度が創設されます。
現行の不在者財産管理人は人単位ですが、この新しい財産管理制度は、不動産単位で管理人の選任が可能になります。
裁判所が管理命令を発令し、管理人を選任します。また、裁判所の許可があれば売却も可能になります。

2 管理不全土地・建物の管理制度の創設

所有者が土地・建物を管理せずこれを放置していることで他人の権利が侵害されるおそれがある場合に、管理人の選任を可能にする制度を創設されます。
これにより、管理不全化した土地・建物の適切な管理が可能となります。

3 共有物の利用の円滑化を図る仕組みの整備

行方が分からない不動産の共有者等に対し、公告等をした上で、残りの共有者の同意で、共有物の変更行為や管理行為を可能にする制度が創設されます。

行方が分からない共有者の持分の価値に相当する額の金銭を法務局に供託することにより、その共有持分を取得して不動産の共有関係を解消する仕組みが創設されます。

いずれの制度も裁判所が関与します。

この制度により、行方が分からない共有者がいることで不動産が処分できないという事態を解決することができるようになります。

4 施行

令和5年4月1日施行です。

当事務所では、不動産の様々な問題(登記の問題、境界の問題、賃貸借の問題、相続の問題等々)に関し、多くの実績があります。
鹿児島で不動産にお困りの際には、弁護士法人下村事務所にお気軽にご相談ください。

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